- WD RedがNASにおすすめと言われる理由を探る!
- WD RedとWD Blueを比較して違いを探した!
- WD RedにはNASに最適化された機能が搭載されている!
絶対にWD Redを使うべき?
個人でNASを構築するときに迷うのがHDD選び。「NAS用にはWD Red一択!」とよく聞くけど、これってWD Blueではダメなのでしょうか。そんなNASおすすめのHDD問題をスペック比較で考えてみます。


確かにミラーリングしてますし、冗長性は取れていますからね。

でしょー!
WD RedとWD Blueだと価格差が結構あるから、ちょっと悩んじゃうよねー。
目次
NASのHDD = WD Red?
NASに搭載するHDDなら、Western Digitalの『WD Red』がおすすめ。
おそらく、NASを構築しようと思っているユーザーなら、このように思っているはず。NASに使うならWD Red一択で、WD Blueなんてもってのほか。しっかり高信頼性が確保されたHDDを選ぶべきだ。…そう古から伝承されてきたはずです!?

でも、なんでNAD用にはWD Redがおすすめなんやろうね?ミラーリングする前提なら、どんなHDDでもよさそうな気がするんやけど…。

そう!そこなんだよねっ!
そういうわけで、本当にWD Redがおすすめで、WD Blueがダメなのかを考えるのであーる。
WDシリーズのラインナップ構成
■Western DigitalのHDDラインナップ構成
- WD Blue:デスクトップパソコン向け
- WD Black:高性能デスクトップパソコン向け
- WD Red:NAS向け
- WD Purple:監視カメラ向け
- WD Gold:データセンター用サーバー向け
- Ultrastar:エンタープライズ向け
Western Digitalには現在、Blue・Black・Red・Purple・Gold・Ultrastarという6種類のラインナップがあり、それらを用途別にまとめると上記のようなイメージになる。

Western Digital的にも、WD RedはNAS向けHDDとしているようだねー。
WD RedはNAS用・WD BlueはデスクトップPC用
先程見てもらったように、Western Digital的には、
としっかり棲み分けをされて商品化されています。
なので、冒頭で話したように、NASに搭載するHDDにはWD Redがおすすめというのは、Western Digitalが謳っている文言どおりというわけです。なので、何も考えないのであれば、素直にWD Redを選ぶのがよさそうです。おしまい。

あれ…終わっちゃった!?

解決してしまいましたわね。

そうなんだけど、これだとWD Redにすべき明確な理由がない気がするんだよねー。
そういうわけで、WD RedとWD Blueを比較して、NASにはWD Redがおすすめと明確に言える理由を探すことにしました。
WD RedとWD Blueの比較表
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フォームファクター | 2.5″ 3.5″ |
2.5″ 3.5″ |
キャッシュサイズ | 16MB 64MB 256MB 512MB |
64MB 256MB |
RPM | 5,400rpm | 5,400rpm 7,200rpm |
保証期間 | 3年間 | 2年間 |
独自機能 | NASware 3.0 3D Active Balance Plus 24時間365日常時稼働 |
No Touchランプロードテクノロジー |
WD RedとWD Blueの仕様比較。
WD RedとWD Blueの基本的なスペックの比較は上表のとおり。
キャッシュサイズの差異に関しては、HDD自体の容量に依存している部分が大きいので、ここが決定的な違いとはなってこないはず。ここで注目すべきは、保証期間の長さの違いとWD Red・WD Blueのそれぞれ備わっている“独自機能”になってくる。
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500GB | - | 5,250円 |
1TB | 7,268円 | 5,929円 |
2TB | 8,778円 | 6,356円 |
3TB | 10.758円 | 7,347円 |
4TB | 14,518円 | 8,005円 |
6TB | 20,980円 | 10,970円 |
8TB | 23,533円 | - |
10TB | 35,580円 | - |
12TB | 44,779円 | - |
14TB | 62,800円 | - |
WD RedとWD Blueの価格比較。
※2020年1月6日時点の価格.com最安値。
WD RedとWD Blueの価格比較をすると、同容量の場合はWD RedのほうがWD Blueよりも1.2倍〜1.5倍ぐらい高価だということが分かります。なので、価格という側面だけ見てみると、WD Blueを選びたくなってしまうわけですね。
WD RedとWD Blueの違い
WD Redには『NASware 3.0』と『3D Active Balance Plus』というNASに特化した機能が備わっていることが、WD Blueとの最大の違いになっているはず。
一般的にNASというのは、24時間365日連続駆動することを想定しています。そして、大事なデータを保護するためにRAID 1などでデータに冗長性を持たせようとするはず。そんなときに役に立ってくるのが、NASware 3.0と3D Active Balance Plusという2つの機能が大いに活躍してくれるということなのです。
NASware 3.0とは、独自のアルゴリズムによって消費電力とパフォーマンスを最適化し、さらにRAIDによるエラー発生時にリカバリーをしてくれるという機能。
3D Active Balance Plusとは、NASのような過酷な環境でノイズや振動から大事なデータ保護してくれる機能。
これらのRAID利用時の信頼性向上機能や振動・ノイズ対策というWD Blueにはない機能がWD Redに備わっているからこそ、WD RedがNASにおすすめと言われるゆえんなのでしょう。つまり、WD RedとWD Blueの最大の違いというのは、NASに最適化されている機能があるかないかということだったわけです。

WD RedがNASにおすすめって言われる理由はそこやったわけやね!

そうなるねー!
NASに最適化された高信頼性っていうことだねっ!
NAS用HDDの結論
これらのことから、個人的にはたとえRAID 1やRAID 5で冗長性を持たせたNASだからといって、WD Blueで大丈夫ということではない気がします。
確かにデータ自体は冗長性が取られているので、一見安心そうに思えます。しかし、WD BlueにはRAID利用時のエラー回避機能がないので、RAID自体が壊れたときはどうするかという問題について回避ができないのです。
また、WD Blue自体がHDD同士を密にして収納することを想定していないので、振動対策(HDD同士の共振対策)やノイズ対策ということについても、WD Redに比べると信頼性という面では欠けてしまうというわけです。
なので、どういう用途でどういう構成のNASであったとしても、搭載するHDDはWD Redにするべきだと思うわけです。
まとめ「NASおすすめのHDDが『WD Red』は本当だった」

とどのつまり、総括すると、RAID 1や5で冗長性を持たせたからといって、WD Blueでよいのではなく、しっかりとNAS用に最適化されている『WD Red』を選ぶのがおすすめということです。
結論、NASのHDDには『WD Red』がおすすめは本当だった!すごいぞ!!

赤い茄子…これぞベストプラクティスっ!(謎)
おまけ

そういうわけで、今度導入するNAS用HDDはWD Redで決定あーるっ!

あら!?ついにNASを入れ替えるのですね?

今のNASが不調だからねー。
キモのNASはSynologyの『DS218j』にしたよー!
おわり
Reference:
Western Digital(1, 2)
RAID 1だったら、WD Blueでもいいんじゃないかなって思ったりしない!?