記事のポイント
- Amazonプライム会費が1,000円値上げ!
- サブスクリプションには問題点がある!
- 大きなビジネスモデルの転換期が来た!
すでに値上げ開始。
4月12日からAmazonプライム会費が値上げします。月会費は100円、年会費は1,000円の値上げ。ともに25%の値上げだが、ここに『サブスクリプションモデル』の問題点があるので、それを考えていきます。
うーん、どゆことー!?
コスパ時代の終焉ですね。
目次
Amazonプライム会費が値上げ
すでにメディア各所でニュースとなっているが、Amazonのサブスクリプションサービス『Amazonプライム』の会費(年会費・月会費)の値上げが実施された。
改定前 | 改定後 | |
月会費(税込) | 400円 | 500円 |
年会費(税込) | 3,900円 | 4,900円 |
Amazonプライムの価格改定表。
上記のように、Amazonプライムは年額で見ると、1,000円も値上げがされている。これを大幅値上げと捉えるかは人それぞれだが、Amazonプライムは安いから加入していた人からすると、解約するか躊躇する値上げ価格であることは事実でしょう。
ちなみに、今回のAmazonプライム会費の値上げは、2007年の日本上陸以来初めてのことのようです。Amazonのお膝元の米国では、すでに2回の値上げが実施されているのですが。
米国のAmazonプライムは、年会費119ドル(約13,000円)だもんねー。
そう考えたら、日本のAmazonプライムの値上げって、ちょっと可愛いレベルやんね。
今回のAmazonプライム会費値上げの問題点
今回のAmazonプライム会費値上げの問題点は、1,000円も値上げされた…ことではなく、ユーザーへの告知がしっかりと施されなかったことでしょう。
しかも、告知と同時に値上げですからね…。
なーんか、納得いかないよねー。
多くのAmazonプライム会員は、いつかは値上げをするだろうと思っていたはず。ただ、このようなほぼ“無告知”での値上げというのには、おそらく多くのユーザーは納得がいかないでしょう。赤城乳業のガリガリ君とまではいかなくとも、値上げに対する誠意も申し訳なさも出さない、Amazon側がそれだけ“巨大帝国”な表れか…。
なぜ今まで値上げをしなかったのか
あくまで推測だが、今まで日本のAmazonプライム会費を値上げしなかった理由は、競合のECサイト(楽天など)の様子を見ていたからでしょう。
しかし、もはやAmazonはただのECではなく、VODコンテンツ制作・音楽プラットフォーム構築・クラウドストレージ・AI(Alexa)などを行っているIT界の巨人(GAFA)なのです。その大きなプラットフォームの枠組みの構築が完成形になったからこそ、今のタイミングでのAmazonプライム会費値上げを行ったのかも知れません。
まぁ、以前からAWSもやっていますし、Amazon = ECではないですけどね。
サブスクリプションモデルの問題点
さて、話はAmazonから少し離れ、『サブスクリプションモデル』そのものについての問題点を、今回のAmazonプライム会費の値上げから紐解いていきます。
その心はー!?
顧客と企業のパワーバランスの変化…ですかね。
ちなみに、今回のサブスクリプションの問題点(デメリット)は、エンドユーザー側視点です。また、サブスクリプションモデルを否定しているわけではありません。
独占状態になると値上げが容易なビジネスモデル
今回のAmazonプライム会費や、少し前だとAdobe Creative Cloudがサブスクリプションの価格を値上げしています。おそらく、独占状態になると価格改定をしやすいのが、サブスクリプションのビジネスモデルなのでしょう。
特に、AmazonプライムやAdobe Creative Cloudや必要性が高いユーザーが多いはずなので、サブスクリプション価格が上がってもユーザー離れはしないと“高をくくっている”のかも知れません。もちろん、これは売り切りのビジネスモデルでも起こりうることですが、サブスクリプションモデルはその傾向が強い気がします。
サービスの所有から一時利用への変化
これは日本人的に気になる人も多いであろうことが、サービスのサブスクリプション化により、サービスや物を所有することがなくなること。
もちろん、これは良し悪しで、サブスクリプション化により、常に最新が手に入るようにもなった(そのぶん、企業はリソースとコストが掛かるが)。ただ、所有欲を満たすことを気にする日本人からすると、“全サービスのレンタルビデオ化”を好ましく思わない人もいるはずです。
サブスクリプションモデルもさまざまですが、物に限定すると、“持っているけど借り物”のような感じですね。
借り物だから…ぷーんっ!(しちゃダメ)
売り切り→フリーミアム→サブスクリプション
サービスや物を手に入る手段は、
- 売り切り(買い切り)モデル:最初の代金だけ支払えば終了
- フリーミアムモデル:基本0円で+α機能は有料
- サブスクリプションモデル:基本有料の月額課金制
と変化しているように思えます。
私は普段、アプリ開発をしているSEなのですが、特にアプリはその傾向が強い気がします。先日のAppleの発表が、まさにサブスクリプション時代の表れですね。
売り切りはジリ貧。
フリーミアムはタダの範囲しか使わない。
それが多かったからねー。
日経MJの2018年ヒット商品番付でも、『サブスクリプション』という言葉が、西の大関(上から2番目)でした。なので、これからもサブスクリプションの市場規模は拡大していくこと必至でしょう。飲食などのサービス業もサブスクリプションモデルを採用するくらいですからね。
総評「消費者はコスパではなくランニングコストを考える時代になった」
Amazonプライム会費の値上げ〜サブスクリプションモデルの問題点〜サブスクリプションモデルの市場規模と拡大…という流れでお話してきましたが、要するに、消費者はコスパではなくランニングコストを考えて投資する時代になったということだと思います。
継続的に課金するからこそ、サービスや物への“質”をコストとして見ないといけない気がします。
今までは、コストパフォマンス(費用対効果)ばかり気にしてきましたが、これからは必要性を考え、そのサービスを享受して得られる満足感を重視する時代になったと感じています。ひょっとすると、消費者はよりシビアな目で商品を見ていくかも知れません。
市場規模は大きくなりますが、サブスクリプションが福音になるかは…神のみぞ知るです。
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おまけ
最後、しれっと無関係なこと言いましたよね?
高原歩美なんて知らないな〜。
確信犯やね。
その確信犯は、ねこさんの場合は誤用でない気もしますね…。(確信犯は正しいことだと確信して行うことの意)
おわり
サブスクリプションの市場規模が拡大するにつれ、消費者心理も変わっていくかも知れません。