- 『X』に対するElon Musk氏の野望は理解できるが共感はできない
- Elon Musk氏が優秀な経営者であることは認めるが倫理観に欠けている
- プラットフォームとしての信頼を回復すべく“凍結祭り”や“不可解なシャドウバン”への対策を優先すべき
『Twitter』が『X』になり、数日が経過しました。
創業者であるJack Dorsey氏の頃のTwitterが好きな筆者としては、最近のTwitterにはモヤモヤするばかり。その溜まっている想いを、この記事で放出させてもらいます。
Twitter, Inc.自体が慢性的な赤字に悩まされていて、その経営改革の一環というのは分かるけど、Twitterに対する愛着やユーザーの気持ちを考えるということに関しては、欠けている感じが否めませんな。
うーん、“積木くずし”って感じやね。
目次
さようなら『Twitter』と『Larry Bird』
Twitterの運営母体が『Twitter, Inc.』から『X Corp.』となり、サービス自体も『Twitter』から『X』へ変更。そして、Twitterを象徴する“青い鳥”のロゴ『Larry Bird』も、リブランディングとともに消滅しました。
現在、アプリアイコンの移行作業も始まっており、完全に『Twitter』の文字やブランドが消えてしまうのも時間の問題でしょう。
Elon Musk氏が、“X”という文字に強いこだわりを持っているのは有名な話。
実際、同氏は過去のツイートにて、「Twitterを買収して、スーパーアプリ『X』の誕生を加速させる」という発言をしております。
要するに、『Twitter』が消滅して『X』となることは、同氏が買収した時点で既定路線だったというわけです。
自社でSNSを開発して構築するよりも、Twitterを買収して、それを活用したほうが手っ取り早いですからね。
それは分かるけど、ちょっと切なさが残るあーる。
Elon Musk氏とスーパーアプリ『X』の野望
Elon Musk氏は、Twitter, Inc.を買収して、X Corp.と変更しただけでなく、PayPalの前身となる『X.com』のドメインまで買い戻しています。SpaceXもそうですが、同氏はかなり“X”という文字に執着しているわけです。
ちなみに、現在『X.com』にアクセスすると、Twitterにリダイレクトされるようになっていますわ。
つまり、長年築き上げてきた『Twitter』ブランドを捨ててまで、『X』という名前に固執するくらい、思いつきではない本気のプロジェクトであることが伺えます。
2022年5月、『All-In Podcast』というポッドキャストに、同氏がゲスト出演していたのですが、そのときすでに、スーパーアプリの必要性とTwitterに対する変革について触れております。要するに、Twitterを『X』とし、中国の『WeChat』のようなスーパーアプリにしようとする計画、それがかなり前から動いていたというわけなのです。
同氏のAI開発企業も『xAI』という名前ですからね。
あー、例の“Twitterアカウント強奪”の件ですな。
それはのちほど……。
Elon Musk氏の野望達成における犠牲
Elon Musk氏は良くも悪くも剛腕経営者という感じで、自らの野望を達成すべく、その過程でさまざまな問題を引き起こしています。
つい最近だと、X(旧 Twitter)公式アカウントを『@X』としたいがために、既存ユーザーから同ユーザー名を強奪したというのが話題となりました。
このような強制的なユーザー名変更については、Elon Musk氏がオーナーになる以前から行われていたものでかつ、サービス利用規約にもユーザー名の返還について記載されていることから、一概に同氏が責められるものではありません。ただ、他人の神経を逆なでする行為だということは、言うまでもありませんが。
War is the ultimate Supreme Court
— Elon Musk (@elonmusk) October 6, 2022
とはいえ、同氏はロシア連邦によるウクライナ侵攻に関して不適切な発言をしていたり、上記のようなツイートをしていたりと、倫理観が欠如していることは明らかでしょう。
うーん、世界的な炎上芸人やね。
炎上…で済まされればよいのですがね。
“歪んだTwitter空間”を戻してほしい
『Twitter』という名前や『Larry Bird』に愛着がある者としては、その面影が消滅してしまうこと自体、悲しいものがあります。とはいえ、なってしまったものはしょうがない。新しいオーナーが『X』で行くと決めた以上、それには従うほかありません。
ただ、Elon Musk氏が言論の自由を標榜するのであれば、“凍結祭り”や“不可解なシャドウバン”について、何らかの説明や対策は講じていただきたいところ。
もちろん、言論の自由というものを盾として、誹謗中傷やヘイトをしてよいというわけでは決してありません。しかし、善良なアカウントまで、凍結やシャドウバンに巻き込まれてしまう“歪んだTwitter空間”を正常化してほしいのです。
加えて、同氏がオーナーとなってから、人員削減のせいか、ヘルプセンターが機能しなくなりつつあります。そうなると、巻き込まれたユーザーは泣き寝入りするしかない可能性もでてきます。せめて、どういう理由でシャドウバンになったのかぐらいは、ユーザーに通知なり説明なりしてほしいものです。
ほんと、Twitter Blueの存在価値が微妙なのですよね。
ベネフィットが求めるものと微妙に違うんだよねー。
まとめ「“Noblesse oblige”を求める」
独裁者が存在しない、健全なSNS。
“凍結祭り”や“不可解なシャドウバン”に対する、サポートの強化。
Elon Musk氏は悪行ばかり目立ちますが、コミュニティノートの実装など、フェイクニュースを減らす対策を講じてくれていることについては、しっかりと評価する必要があるでしょう。
とはいえ、“Noblesse oblige”というか、倫理観は欲しいものです。
ねこさん曰く、「もし『Bluesky』の招待コードをプレゼントしてもいいよ!」という方がいらっしゃったら、ねこさんのTwitterにDMをしてほしいとのことですわ。
おまけ
どうしても『Bluesky』を始めたいのですね!?
というか、Twitterから移住したいのであーる。
まぁ、その気持ちも分からないことないですが。
もしそうなったら、Twitterのアカウントはどうするん?
TwitterはTwitterで、まったり更新していくから大丈夫あーる!
自宅をBlueskyにして、別荘をTwitterにする感じですな。ついでに、画廊がThreadsで。
おわり
Elon Musk氏が買収したことによる功罪という点においては、“罪”のほうが多い気がするのですわ。申し訳ないですが。