この記事はSOUNDPEATS様よりレビュー用サンプルを頂いて記事を書いております。
- SOUNDPEATS『Air3 Deluxe HS』 = “寝ホン”のベストバイ
- 安価ながら『LDACコーデック』と『低遅延モード』に対応
- インナーイヤー型らしく聴き疲れのない開放的なサウンドが魅力
インナーイヤー型の完全ワイヤレスイヤホン、SOUNDPEATS『Air3 Deluxe HS』をレビュー。世界初の『Hi-Res Audio Wireless』認定を受けた、インナーイヤー型完全ワイヤレスイヤホンとなる本機。……かなり“寝ホン”向きなのでした。
インナーイヤー型の完全ワイヤレスイヤホンは『AirPods』一強だから、AirPodsと相性の悪いAndroidスマホユーザーは狙い目かもですな。
LDACコーデック対応ですし、よりAndroid向けですわね。
Air3 Deluxe HS
Bottom line
インナーイヤー型の完全ワイヤレスイヤホンとしては“世界初”となる、『Hi-Res Audio Wireless』認定品だけあり、約7千円と安価ながら、かなり聴き応えのあるサウンドを奏でてくれる。
『低遅延モード(ゲームモード)』が搭載されているので、ライトゲームや動画視聴とも好相性。
連続再生時間が最大5時間しかないこと、タッチセンサー操作になっていること、気になるのはそれくらいで、価格を考慮すると、相対的に完成度は高いと言えよう。
Score
- コストパフォーマンス 9
- デザイン 7
- ビルドクオリティ 8.5
- ユーザビリティ 7
- 音質 7
- マイク 7
- バッテリー 6.5
ここがすき!
- 耳が疲れない軽い装着感
- 低遅延モード搭載
- インイヤー検出搭載
- スマートフォンアプリ対応
- LDACコーデック対応
ここがうーん?
- タッチ操作は慣れ必要
- 連続再生時間が最大5時間
目次
本日のレビュー:SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS
インナーイヤー型でハイレゾを楽しみたいなら、検討の余地アリ!
音のバランスも良好やし、高音域がシャリつく嫌な感じもないから、思ったよりも聴きやすい!オールマイティに使える“寝ホン”向けの完全ワイヤレスイヤホンやね!!
概要&特長
SOUNDPEATS『Air3 Deluxe HS』とは、日本オーディオ協会の『Hi-Res Audio Wireless』認定を受けた、“世界初”のインナーイヤー型完全ワイヤレスイヤホン。
- 大口径『φ14.2mmダイナミックドライバ』搭載
- クリアな通話が可能な『ENCマイク』搭載
- ハイレゾ対応コーデック『LDAC』対応
- スマートフォンアプリ『SOUNDPEATS』対応
世の中に存在する大半の完全ワイヤレスイヤホンは、密閉方式である『カナル型』です。しかし、このSOUNDPEATS『Air3 Deluxe HS』は、開放方式である『インナーイヤー型』を採用しています。
カナル型が全盛の昨今、インナーイヤー型といえば、低機能・低音質なネガティブイメージが付き纏ってしまうもの。しかしながら、本機はハイレゾ対応Bluetoothコーデックである『LDAC』に対応しており、約7千円と安価ながら、本格派の完全ワイヤレスイヤホンとなっております。
スペック
SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS | |
---|---|
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オーディオ | |
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ドライバー | ダイナミック └ φ14.2mm |
再生周波数帯域 | 20Hz 〜 40,000Hz |
インピーダンス | 非公表 |
Bluetooth | |
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Bluetooth Ver. | Bluetooth 5.2 |
コーデック | SBC AAC LDAC |
プロファイル | A2DP AVRCP GATT HFP SPP |
バッテリー | |
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イヤホン単体 | 最大5時間 └ 各30mAh |
イヤホン + 充電ケース | 最大20時間 └ 300mAh |
搭載機能 | |
---|---|
ノイズキャンセリング | 非搭載 |
ヒアスルー | 非搭載 |
低遅延モード | 搭載 |
インイヤー検出 | 搭載 |
左右独立受信方式 | 対応 |
ワイヤレス充電 | 非対応 |
急速充電 | 非対応 |
防塵防水 | 対応 └ IPX4 |
コンパニオンアプリ | 対応 └ アプリ:SOUNDPEATS |
インターフェース | |
---|---|
イヤホン | - |
充電ケース | USB Type-C ×1 |
ボディ | |
---|---|
イヤホン | 約17.8×17.3×34mm |
約4g | |
充電ケース | 約60×22.5×48mm |
約28.3g |
デザイン
本体
| イヤホン | 充電ケース |
カラーバリエーション |
Black
|
|
サイズ | 約17.8×17.3×34mm | 約60×22.5×48mm |
質量 | 約4g | 約28.3g |
SOUNDPEATS Air3 Deluxe HSの外観は、“Android版AirPods”といった感じ。ゴテゴテ感のないシンプルなものになっています。
なお、カラーバリエーションは『ブラック』の1色展開。
ブラックはド定番カラーなので悪くないのですが、できれば女性を意識したホワイトやペールピンクがカラーバリエーションとして用意されていたら、なお良かった気がします。
カラバリの充実は、ぜひお願いしたいところなんよね。
- タッチセンサー
- マイク(通話用)
- 近接センサー(インイヤー検出用)
- Pogo Pin(メス)
イヤホン本体のシェル形状は、AirPodsを踏襲したインナーイヤー型の定番スタイル。なので、AirPodsがフィットするユーザーであれば、本機も問題なくフィットするでしょう。
リモコンはタッチセンサー方式を採用。近接センサーが搭載されており、イヤホンの着脱に応じて自動的に再生/停止が作動します(インイヤー検出)。また、左右独立受信機構(片耳モード)が搭載されているため、Lch/Rchのどちらか一方だけでも利用することが可能です。
- LEDインジケータ
- ペアリング/バッテリー残量確認ボタン
- USB Type-C(充電専用)
- Pogo Pin(オス)
充電ケースもイヤホン本体と同様に、AirPodsライクな光沢感のあるデザイン。なので、ちょっと指紋が付きやすいのがネック。そして、撮影者泣かせ。
Qi規格のワイヤレス充電は非対応なため、USB Type-Cポートを用いて、イヤホンを充電することになります。
キーアサイン
| Lch | Rch |
再生/停止 | (2回押し) |
(2回押し) |
曲送り | | (1.5秒長押し) |
曲戻し | (1.5秒長押し) |
|
音量アップ | | (1回押し) |
音量ダウン | (1回押し) |
|
低遅延モード | (3回押し) |
|
音声アシスタント | | (3回押し) |
受話/終話 | (2回押し) |
(2回押し) |
着信拒否 | (1.5秒長押し) |
(1.5秒長押し) |
操作はタッチセンサー方式を採用。キーアサインについては、リスニングや通話で必要となる操作は、ひととおりイヤホン側で行えるようになっております。
また、このSOUNDPEATS Air3 Deluxe HSは、スマートフォンアプリに対応しており、1回押しのタッチ操作のみ、有効/無効を切り替える設定項目が設けられています(おそらくは誤作動防止目的)。
ハウジング
音筒部は楕円形になっており、ドライバに対して斜め方向にオフセットされております。言葉で説明すると分かりづらいですが、つまりは“AirPods風”というわけです。
SOUNDPEATS Air3 Deluxe HSはインナーイヤー型なので、当然ながらイヤーピースは装着不可。なので、装着感を高めるためにイヤーパッドを付けたくなりますが、干渉して充電ケースに収まらなくなるので、そのまま使うことになります。
インジケータ
50% 〜 100% | (緑色に点灯) |
10% 〜 49% | (黄色に点灯) |
1% 〜 9% | (赤色に点灯) |
イヤホンのバッテリー残量は、充電ケースのLEDインジケータより確認可能。
このLEDインジケータは、充電ケース開閉時および、LEDインジケータ直下のボタンを押下することで点灯します。
付属品
- USBケーブル(Type-A to Type-C)
- 取扱説明書
説明書は多言語対応で、日本語での記載もあります。本体リセット方法などが記載されているので、破棄せずに手元に残しておきましょう。
付属のUSBケーブルは、Type-A to Type-C。コネクタ部分込みで、正味の長さは22cm(実測値)でした。
ポイント
サウンド
大口径『φ14.2mmダイナミックドライバー』搭載
SOUNDPEATS Air3 Deluxe HSのドライバーは、ダイナミックドライバーが1基のシングル構成。
その搭載されているダイナミックドライバーは、完全ワイヤレスイヤホンとしては大口径のφ14.2mmユニットを採用。大口径ドライバーを採用することにより、ハイレゾ音源をしっかりと鳴らすことが可能とのこと。
マイク
クリアな通話が可能な『ENCマイク』搭載
SOUNDPEATS Air3 Deluxe HSには、イヤホン片側につき2つのマイクユニットが搭載されております。
搭載されているマイクはENCに対応しており、周囲の環境ノイズを低減し、話者の声だけをターゲットにし、正確に通話相手に声を届けることができます。
『ENC』とは、『Environmental Noise Cancellation』の略。
負の環境ノイズの多くを抑制。デュアルマイクアレイにより、話者の発話位置を正確に計算し、通話における干渉ノイズを低減する技術。
フィーチャー
ハイレゾ対応コーデック『LDAC』対応
SOUNDPEATS Air3 Deluxe HSは、ハイレゾ対応のBluetoothコーデックである『LDAC』に対応しています。
本機は、インナーイヤー型完全ワイヤレスイヤホンとしては“世界初”となる、日本オーディオ協会の『Hi-Res Audio Wireless』認証を正式に取得した製品になっております。
| LDAC | SBC | AAC |
ビットレート | 990kbps | 345kbps | 250kbps |
サンプリングレート | 96kHz | 48kHz | 44.1kHz |
量子ビット | 24bit | 16bit | 16bit |
このLDACコーデック対応により、Bluetoothオーディオながら、最大990kbpsという高ビットレートでリスニングが可能に。
Bluetoothコーデックが音質のすべてを決めるわけではありませんが、接続コーデックにこだわるユーザーが多いのも事実。なので、より高音質とされるBluetoothコーデックが選択肢にあるのは、素直に歓迎すべき点でしょう。
ファンクション
低遅延接続が可能な『ゲームモード』搭載
モバイルゲームや動画視聴に最適な『ゲームモード(低遅延モード)』という機能が、このSOUNDPEATS Air3 Deluxe HS搭載されております。
- ゲームモード
- 60ms
- ノーマルモード
- 80ms
※メーカー公称値
この『ゲームモード(低遅延モード)』をオンにすると、ワイヤレスオーディオ転送におけるレイテンシーを60msまで短縮することが可能に。
ゲームモード利用時は、Bluetoothの最大通信距離が狭くなってしまうデメリットもあるため、適宜切り替えて有効活用したいところ。
スマホアプリ『SOUNDPEATS』対応
SOUNDPEATS Air3 Deluxe HSは、スマートフォンアプリ『SOUNDPEATS』に対応しております。
このSOUNDPEATSアプリには、イコライザー機能などに加えて、イヤホン本体のファームウェアアップデート機能も盛り込まれているため、マストなアプリケーションと言えるでしょう。
ハンズオン
イヤホンを装着する
SOUNDPEATS Air3 Deluxe HSを耳に装着すると、こんな感じに。
シェルが比較的薄く作られているため、耳から出っ張ることもありません。カナル型ではないため、フィット感はかなり軽め。ただ、すぐに耳から外れてしまうような不安定さはありません。
音質を評価する
高音域 |
7
|
中音域 |
6.5
|
低音域 |
5.5
|
音場感 |
狭
広
|
音傾向 |
繊細
迫力
|
SOUNDPEATS Air3 Deluxe HSの音質について端的に言うと、「インナーイヤー型らしい開放感のある中高音寄り」といった感じ。
楽曲によっては、ボーカル域の主張が激しく感じることもあるから、専用アプリのイコライザー機能を併用するのがおすすめやね。
全体的にキラキラとした感じの音でクリア。完全ワイヤレスイヤホンにありがちな低音オバケが好きなユーザーからすると、少々物足りなさはあるかもしれません。このあたりは、カナル型とインナーイヤー型の差異と考えてもらえれば。
低音域が弱めということ以外は、バランスも比較的良好。高音域はキレが良く、価格のわりに解像感もあることから、シャープさが好きであればマッチするでしょう。ただ、楽曲によっては、ボーカルのサ行が刺さる感じというか、シャープすぎる感じもするので、もう少しマイルドな中音域のほうが、より万人に受ける気がします。
筆者はオーテク系のキンキンした金属的な音が好きなタイプなので、デフォルトでも全然大丈夫ではありますが、イコライザーを“逆かまぼこ型”になるようにチューニングしてあげると、マイルドになって聴きやすいでしょう。
刺激的な中音域が好みの分かれ道な気もしますが、音場感が広く、解像感もそこそこにあるので、電子音楽系や女性ボーカルと合わせてみると、面白いかもしれません。対して、ドスンと沈み込むような低音域は出ないため、ジャズやR&Bは不向きかと。
低遅延モードを試す
SOUNDPEATS Air3 Deluxe HSに搭載されている『低遅延モード(ゲームモード)』は、イヤホン(Lch)を3回押しするか、SOUNDPEATSアプリ内から操作することで、オンにすることができます。
デフォルト状態と比べると、確かにレイテンシーは気にならなくなる。ただ、Bluetoothというプロトコルで転送している以上、付加価値としての低遅延技術は根本的な解決にはならず、あくまでエッセンスにしかなりません。この点は理解しておくべき。
本機は低遅延モードをオンにすると、約60msまで遅延が抑えられますが、やはり音ゲーや格ゲーのような、映像と音声が完全にシンクロしていないと話にならないゲームは厳しいでしょう。
厳しめな目線にはなりましたが、ゲームのジャンル次第では快適に利用できる機能ではありますし、動画視聴も口の動きを凝視しない限り気にはなりません。なので、目的次第という感じです。
インプレッション
寝ホンに最適な形状
イヤホン界隈には、寝ながら使うのに向いているイヤホン、通称『寝ホン』というジャンルが存在しています。そして、今回のSOUNDPEATS Air3 Deluxe HS、かなり寝ホン向きなのです。
シェルが薄型なので、寝返りを打ったときに耳が痛くなる心配ナシ。
インイヤー検出機能が搭載されているので、イヤホンが取れても音楽が流れっぱなしになる心配ナシ。
インナーイヤー型なので、イヤーピース紛失リスクもゼロ。
こんな感じで、寝ホンとして、非常にお誂え向きなのです。
そして、価格もリーズナブルやし、何かあったときのメンタルに刺さるダメージも低い!
寝ホンに数万円クラスのイヤホンを使うのは、ちょっと憚られるあーる。
好みが分かれるタッチ操作
ちょっと気になるのは、感度が良すぎるタッチセンサー。
タッチセンサー方式のイヤホンというのは、見栄えは確かに良いのですが、しっかりとUIを作り込まないといけません。何も考えずに実装してしまうと、誤操作を誘発する可能性があり、物理ボタン方式に比べて著しく使い勝手が下がるのです。
これは本機に限ったことではありませんが、ジェスチャーやピンチインなどのタッチセンサーだからこその機能を実装しないのであれば、無理してタッチセンサー方式を採用しなくても…とも。
幸い、SOUNDPEATSアプリには、タッチセンサーの1回押しで発火するキーアサインを無効化できる機能が備わっているので、そこまで誤爆は起こらなかったりします。
充電ケースの光沢感と指紋
SOUNDPEATS Air3 Deluxe HSの充電器ケース、ご覧のとおりに光沢感が非常にあるタイプ。それゆえ、指紋がベッタリと目立ってしまいます。ここがちょっと気になる点。
イヤホン本体と意匠を合わせる意味も込め、充電ケースも非光沢仕様にしてほしかったところ。あと、頻繁に使用することのないペアリングボタンが目立ちすぎる位置にあるので、USB Type-Cポートの横にこっそりとオフセットするぐらいでよかった気がします。
黒色で光沢仕様だから、余計に指紋が目立っちゃうんよね。
それはありますわね。
レビュー総括
約7千円と低価格ながら、日本オーディオ協会のHi-Res Audio Wireless認証を正式に取得しており、『LDACコーデック』に対応している。また、スマートフォンアプリや低遅延モードも搭載されており、利便性も高いのが良き。
中音域に癖があるので、万人受けする音質ではない。ただし、アプリのイコライザー機能を使えば、この点は解消可能。充電ケースが光沢仕様ゆえ、指紋が目立ってしまうので、ここはイヤホン本体とデザインを合わせた非光沢仕様のほうがよかった。
SOUNDPEATS『Air3 Deluxe HS』のレビューを総括すると、「LDAC対応のインナーイヤー型という希少性」という感じ。
LDACコーデック非対応なiPhoneだとこの利点を享受できないので、Android限定となってしまうのですが、Bluetoothコーデックを気にするユーザーであれば、手頃な価格も相まって一考の余地アリ。
「カナル型がちょっと苦手」と思っているユーザーにこそ、まさにこのSOUNDPEATS Air3 Deluxe HSが最適でしょう。
とにかく、『寝ホン』として使ってほしいかな!
おまけ
完全ワイヤレスイヤホンのインフレ化も凄まじいことになってるし、お手頃な価格帯から良さそうな製品を発掘するのが最近の楽しみなんよね。
どんなに高級な完全ワイヤレスイヤホンを買っても、バッテリー寿命があるために、おおよそ2年で御釈迦になってしまいますものね。
やっぱり、有線イヤホンが最強ですな!
おわり
低遅延モードとスマホアプリ対応で、活用の幅は広い。
連続再生時間が5時間止まりなのが、ちょっと惜しい。
…って感じやね!