- Lenovo Yoga Tab 13は希少なHDMI入力搭載タブレット!
- モバイルモニターとしての性能は思ったより優秀!
- 唯一残念なのがOSDメニューの機能性に乏しいこと!
“低遅延と高音質が魅力”
HDMI入力を搭載したAndroidタブレット、『Lenovo Yoga Tab 13』。本稿では、Lenovo Yoga Tab 13のモバイルモニターとしての性能をチェックしていきます。


…凄い。

…暇人ですわね。
目次
Lenovo Yoga Tab 13の概要
特長:HDMI入力搭載

『Lenovo Yoga Tab 13』は、HDMI入力を搭載したAndroidタブレット。つまり、 Androidタブレット + モバイルモニター = Lenovo Yoga Tab 13 というわけです。
HDMI出力ではなく、HDMI“入力”が搭載されているので、パソコンやゲーム機(Nintendo Switch等)を接続すれば、このLenovo Yoga Tab 13が、バッテリー内蔵型のモバイルモニターとして使えるというわけです。もちろん、大画面Androidタブレットとしても使えます。
本稿では、そんなLenovo Yoga Tab 13のモバイルモニターとしての性能に特化して、どれくらい使い物になるのかをチェックしていきます。

HDMI入力を用いたモバイルモニター性能、この一点突破の記事であーるっ!

あ、Lenovo Yoga Tab 13全体のレビューは…後日で!

その“後日”が“いつか”にならなければ…いいんやけどね。
オーディオ/ビデオ性能
オーディオ | スピーカー数 | 4(JBL) |
音響技術 | Dolby Atmos Lenovo Premium Audio Solution |
|
ビデオ | 映像入力 | Micro HDMI(HDCP 1.4) |
映像技術 | Dolby Vision |
Lenovo Yoga Tab 13のオーディオ/ビデオ性能
Lenovo Yoga Tab 13のオーディオ/ビデオ性能を抜粋して見てみると、かなり映像や音響に力を入れているAndroidタブレットであることが分かります。
スピーカーはJBLのものを4基搭載。映像入力はMicro HDMI経由で行い、著作権保護技術のHDCP 1.4に対応しています。バッテリー(10,000mAh)も搭載しているため、外部電源を必要とせずにモバイルモニターとして使えます。
詳細スペック
Lenovo Yoga Tab 13 | ||
---|---|---|
OS | Android 11 | |
SoC | Qualcomm Snapdragon 870 | |
RAM | 8GB(LPDDR5) | |
ROM | 128GB | |
ディスプレイ | 画面パネル | LCD(IPS) |
画面サイズ | 13インチ | |
画面解像度 | 2,160×1,350 | |
カメラ | フロント | 8MP |
ネットワーク | 無線LAN | Wi-Fi 6 (IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | Bluetooth 5.2 | |
バッテリー | 容量 | 10,000mAh |
駆動時間 | 約12時間 | |
インターフェース | データ | USB 3.1 Gen 2 Type-C ×1 |
ビデオ | Micro HDMI ×1 | |
サイズ | 293×4×204.0×6.2–24.9mm | |
質量 | 830g |
Lenovo Yoga Tab 13のスペック
モバイルモニター性能のテスト
それでは、これからLenovo Yoga Tab 13のモバイルモニターとしての性能をチェックしてきます。
なお、モバイルモニターとしての性能をチェックするための検証環境として、パソコンは13インチMacBook Airと13インチMacBook Pro、ゲーム機はNintendo Switch、をそれぞれ用いています。

それではいくぞー!
[1]色域

sRGB | Adobe RGB | DCI-P3 | Display P3 | |
比率 | 107.4% | 79.2% | 79.2% | 79.6% |
カバー率 | 99.7% | 79.1% | 79.1% | 75.3% |
Lenovo Yoga Tab 13内蔵ディスプレイの色域
※色域測定:Datacolor SpyderX ProでICCプロファイル作成後ガマット図化
ディスプレイの色域をキャリブレーターで測定したところ、sRGBに関してはフルカバーに近いものになっており、その他の色空間に関しては概ね75%〜80%という結果になりました。
この色域カバー率の測定結果から鑑みると、クリエイティブ用途には不向きでしょう。sRGBが約100%というカバー率は決して悪いものではありませんが、取り立てて広色域というわけでもありません。
もちろん、シビアな色再現性を求めないゲーム用途であれば、充分美麗な映像を映し出してくれる色域は持っていると言えます。

ちなみに、Lenovo Yoga Tab 13のHDMI入力元をMacにしたところ、『YOGA Pad Pro』という専用のディスプレイプロファイルがインストールされていました。

Lenovo Yoga Tab 13がAndroidタブレットとして動作している場合には、Androidの設定アプリから色温度を調節が可能です。ところが、ここで設定した色温度は、HDMI入力でモバイルモニターとして利用しているときには反映されませんでした。
つまり、モバイルモニターとして利用する場合は、出力機器側にカラープロファイルをインストールできる仕組みがない限り、Lenovo Yoga Tab 13では色温度は固定となります。
[2]リフレッシュレート

Lenovo Yoga Tab 13に搭載されたディスプレイのリフレッシュレートを調べてみると、53Hzという結果でした。
本体ファームウェアによって変わってくるかもしれませんが、Lenovo Yoga Tab 13側ではリフレッシュレートは確認できない仕様になっていました。

また、Mac側のシステム環境設定を利用してリフレッシュレートが変更できるかどうか試したのですが、リフレッシュレートは53Hzで固定されているようです。
[3]残像
HDMI入力時、Lenovo Yoga Tab 13のディスプレイの残像(ゴースト)がどれくらいあるのかを、UFO Testの『TestUFO Ghosting Test』を撮影してチェックしてみました。

まずこちらが、シャッタースピードを1/1600にして撮影したもの。

つぎにこちらが、シャッタースピードを1/2000にして撮影したもの。

そしてこちらが、シャッタースピードを1/2500にして撮影したもの。
測定してみた結果、2フレームめぐらいまで残像が残っていたので、ゴーストは普通といった感じ。ノートパソコンの中には、しっかり3フレームめぐらいまで残像が出る製品も存在しているので、案外悪くないとは思います。
[4]レイテンシー

ゲームをするのであれば、気になるレイテンシーですが、格闘ゲームやFPSを本格的にするプレイヤーでなければ、ほぼ気にならないレベルの遅延でした。
レイテンシーを正確に測定する機材を持ち合わせていないので、正確に「○○ms遅延する」とは言えないのですが、いわゆる一般的なPCモニターと同等レベルと捉えてもらえればまず問題ないでしょう。
AndroidタブレットでHDMI入力…と聞くと、かなり遅延しそうな印象を持ってしまいます。ところが、Lenovo Yoga Tab 13に搭載されているHDMI入力は、Android上でのエミュレーションではなく、ハードウェアレベルで実装しているため、一般的なPCモニターと同等のレイテンシーにまで抑えることができている、というカラクリになっています。
[5]OSD

■搭載しているOSD一覧
- アスペクト比変更
- ディスプレイ輝度変更
- バッテリー残量確認
HDMI入力モード時にディスプレイをタッチすると、OSDが出現します。
OSD表示中は、ディスプレイ下部に、現在のアスペクト比・バッテリー残量、が表示される仕組みになっています。バッテリー残量は1%刻みで確認できるため、モバイルモニターとして大変有用。
OSDメニューとして搭載されているのは、ディスプレイ輝度変更・アスペクト比変更、という2つのみの割り切った仕様。なお、アスペクト比は『16:9』と『16:10』の2つから選択可能で、ボリュームに関してはOSDではなく、タブレットのボリュームボタンを使用します。
ここまでで分かるとおり、OSDメニューとして必要最低限のものしか搭載されておらず、Lenovo Yoga Tab 13をモバイルモニターとして使う際には、ユーザー側で使い方に工夫をする必要があります。
ちょっと残念なのが、表示画面の回転は行えない(本体内蔵の加速度センサーはHDMI入力時には無効になる)ので、必然的にスピーカーが下になる向きでしか使えないこと。せっかく、Lenovo Yoga Tab 13にはスタンド兼フックが搭載されているので、画面回転や画面反転のOSDメニューぐらいは搭載してほしかった気もします。
[6]音質

JBLブランドのスピーカーが4基搭載されているだけあって、並のモバイルモニターとは比べ物にならないくらい、しっかりとした音が鳴ってくれます。
メーカーによると、搭載されているスピーカーのW数はそれぞれ、1.5W出力が2基、2W出力が2基、という構成になっています。

音質そのものに関しても上々で、しっかりとした音圧を出して鳴ってくれています。
ボリュームを上げても、音割れやビビりはありません。スピーカーユニットが小さいため低音域は一息ですが、タブレットの中でも音質が良いとされるiPadに匹敵するレベルの音質にはなっています。
[7]バッテリー
ディスプレイ輝度を50%、ボリュームも50%、という状態でゲームをプレイしたところ、1時間で7%前後のバッテリー消費になっていました。
Androidタブレットとして利用した場合が約12時間なので、モバイルモニターとして利用した場合についても、同じくらいのバッテリー持ちが期待できるでしょう。
モバイルモニターとしての結論

『Lenovo Yoga Tab 13』をモバイルモニターとして利用した場合、この一点だけ集中して見てきました。個人的な総評としては、設定項目の少なさに若干の不満を感じつつも充分実用的な範疇、だと感じています。
Androidタブレットでありながら、ハードウェアレベルでのHDMI入力を実装してきた。これだけでも希少性はかなり高く、おすすめできる要素は非常多い。また、ライバル不在だからといって、チープなHDMI入力機能ではなく、ビジネスからゲームまで幅広い用途で実用的なレベルに落とし込んでいる点は評価すべきでしょう。
ディスプレイの色域もsRGBカバー率が100%に近いところまであり、HDMI入力時の遅延もほぼ感じないため、バッテリー駆動式モバイルモニターとして見ても、かなり価値があるプロダクトに仕上がっています。
少々残念なのは、OSDメニューが最低限のものしかなく、痒いところに手が届かないということ。スタンド機構をせっかく搭載しているのに、HDMI入力時は画面回転ができないというのは、ハードウェアとソフトウェアが噛み合っていないと感じてしまいます。
とはいえ、HDMI入力を持ったAndroidタブレットというもの自体、かなり希少な存在。クリエイティブ用途には色域的に厳しいものの、ちょっとしたゲームぐらいであれば満足できる性能であるでしょう。

わたし的には…“使える”と見たっ!!
まとめ「Lenovo Yoga Tab 13のHDMI入力は実用的」

『Lenovo Yoga Tab 13』のモバイルモニターとしての性能をチェックしてきましたが、OSDメニューが物足りないこと以外は実用的な印象。
HDMI入力を持っているAndroidタブレットは大変貴重な存在なので、それだけでも狙う価値はアリ。入力の遅延も感じませんし、色域もデザイン業務に使わないのであれば悪くはない。そう考えていくと、Lenovo Yoga Tab 13はモバイルモニターとしての性能は実用的だと言えるのではないでしょうか。

しかも、デジタイザーペンにも対応しているあーるっ!
おまけ

次回はデジタイザーペンの描画でもチェックしようかなー!?

続きますわね、今回は。

思ったよりも掘り下げる要素が多いからねー。

その“次回”は早めにやね!

…んごご。
おわり
…を、まとめてチェックなのだ!