- 『Apple Pencil hover』でペンに“ホバー”専用アクションが追加
- Apple Pencilが『ホバーカーソル』『ブラシプレビュー』に対応
- 使えるのは『iPad Pro (M2)』と『Apple Pencil (第2世代)』の組合せのみ
iPad Pro (M2) の新機能『Apple Pencil hover(Apple Pencilによるポイント)』で何ができるのか、について後学のために整理しておきます。
やっと、ホバーカーソルが実装されましたわね。
しかも、ブラシプレビューも可能なんよね!
目次
TL;DR
スクリーン上での『ホバーカーソル』の表示と、ホバー時における『ブラシプレビュー』が可能となる機能。
『Apple M2』チップ搭載のiPad Pro(『iPad Pro 12.9インチ (第6世代)』と『iPad Pro 11インチ (第4世代)』)のみ。
『Apple Pencil (第2世代)』のみ。
検知可能なホバー範囲は最大12mm。
ディスプレイとApple Pencilの間における距離は、取得した座標は『zOffset』という値で示される。
zOffset値は、最大距離が1・最小距離が0、の間で変動する。Apple Pencil hover非対応のiPadでは、zOffset値は0で固定される。
『Apple Pencil hover』の概要
『Apple Pencil hover』とは何かを端的に言えば、Apple Pencilにおけるホバー時のアクション。
この『Apple Pencil hover(和訳:Apple Pencilによるポイント)』は、iPad Pro (M2) から搭載された新機能。この機能が実装されたことにより、従来の“ドロー”に加えて、新たに“ホバー”という動作が、Apple Pencilに追加されたことになります。
Apple Pencilがホバー状態であるとき、ディスプレイがペン先から発せられる電磁信号を検知。その検知した電磁信号をプロセッサが解析することで、Apple Pencilの座標や傾斜を特定します。
ホバー状態でのApple Pencilの検知は、ディスプレイに対して最大12mmまで離れた状態まで可能とのこと。
このホバー時の距離は『zOffset』という、正規化された値で示されます。zOffset値は、ディスプレイからもっとも離れた状態が“1”、もっとも近づいた状態が“0”、という範囲で示されます。zOffsetプロパティがサポートされていない場合、値は“0”で固定されます。
このApple Pencil hoverを利用するには、アプリ側も対応している必要があります。ちなみに、ドローイングアプリ『Procreate』では、Ver. 5.3から対応することが明言されております。
『Apple Pencil hover』の機能
①ホバーカーソル
Apple Pencil hoverが搭載されたことにより、スクリーン上に『ホバーカーソル』が表示されるようになりました。
ホバーカーソルが表示されるようになったことで、描画位置を正確に把握した上で、スケッチやイラストを描くことが可能になります(液晶タブレット界隈では昔からある機能)。
②ブラシプレビュー
Apple Pencil hoverには『ブラシプレビュー』が搭載されており、ブラシサイズやブラシカラーが反映された状態でホバーカーソルが表示されます。
ドローイングアプリ側のブラシサイズ値を変更すると、ホバーカーソルの表示がリニアに変化します。
ブラシサイズに加えて、ブラシカラーも、ホバーカーソル上でプレビューできます。
『Apple Pencil hover』対応機種
- 上記以外のすべてのiPad
※2022年10月21日時点
『Apple Pencil hover』対応ペン
- Apple Pencil (第1世代)
- Logicool Crayon for iPad
- その他のサードパーティ製ペン
※2022年10月21日時点
まとめ「ホバーカーソル +α」
『Apple Pencil hover』は、ただのホバーカーソルではなく、ホバー時のジェスチャーや、ブラシサイズ・ブラシプレビュー機能も備えた“ホバーカーソル +α”という感じ。
Appleのデベロッパー向けページを見ると、iPadOS 16.1以降のiPad Pro (M2) とApple Pencil (第2世代) でのみ利用可能となっているため、Apple Pencil hoverを利用したい場合は、必然的に買い替えることになります。
『zOffset』を使って、ゴニョゴニョするのも面白そうですな。
おまけ
とりあえず、『iPad Pro (M1)』がソフトウェアアップデートで、『Apple Pencil hover』に対応する可能性はゼロでしょうな。
買い替え、悩ましいところですわね。
プロ向けツールとしては完成された感じはあるけど…価格が……ね。
おわり
要約すると、
「iPad Proが実用的な液タブになった!」
…という感じあーる。